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Withコロナ時代の北海道ビジネス入門④「ホテル<人財>とベトナム人実習生」@釧路市阿寒町・鶴雅リゾート

カテゴリ:地方創生

「鶴雅社訓八条」人財、未来の行動指針

釧路市阿寒町の阿寒湖は北海道屈指の温泉地であり、国の特別天然記念物に指定されているマリモやアイヌ文化で有名です。1956年5月に開業した阿寒グランドホテルを母体とする「あかん遊久の里鶴雅」など鶴雅グループのホテルはJTBサービス優秀旅館ホテル最優秀賞を獲得しています。初代社長の大西正昭氏が後発業者として開業にこぎつけホテル業を軌道に乗せ、2代目の現社長、大西雅之氏が時代を見据えて変革しながら最優秀ホテルに育て上げたベースには鶴雅フィロソフィーともいえる「鶴雅社訓八条」があると思います。

八条のうち、【鶴雅の人財】私達は、常に謙虚に学び、改革意欲に溢れる楽しい職場をつくります【鶴雅の未来】私達は、国際感覚とスキルを磨き、日本のおもてなしを世界に広めます――と行動指針を掲げています。

オンライン面談でベトナム人実習生18人採用

コロナが観光業を直撃する中、鶴雅グループ(鶴雅リゾート・ホテル山浦)は7月7日、ベトナムの送り出し機関エスハイ社(ホーチミン市)とリモートアクセスによるオンライン面談を行って18人のベトナム人技能実習生を初めて採用しました。採用は2020年2月に「宿泊職種」が技能実習2号移行対象職種に追加されたことを機に踏み切りました。担当した鶴雅リゾート常務の千葉聡氏は「コロナでまだまだ厳しい観光業ですが、国内の若い労働者募集に厳しい地域では海外からの技能実習生制度をいかに活用するかが重要と感じています。海外からのスタッフは誰も日本人スタッフと同様に鶴雅の未来のために大切な人財と思っています」と話しています。

日本のサービスを学ぶ

エスハイ社によると、「宿泊職種」には募集段階で男女合わせて60人ほどが説明会に参加し、最終面接に41人が残りました。日本のサービス業を学べる職種として興味をもつ学生は多かったようです。採用された18人のうち、ベトナム中部トゥア・ティエン・フエ省出身のヴォ・タイン・フォンさん(20)は「日本は伝統的な文化があり、日本人のマナー、働き方が素晴らしい国だと思った。高校生の時から結婚式場でアルバイトした経験があった。食事やお客様の対応などをいつも大切にする日本のサービス方法が素晴らしいと思い、日本のホテルのお客様の対応方法を学びたいと思った」と志望動機を語っています。

慕われる“北海道のお母さん”

面談を仲介したのは公益財団法人「東亜総研」です。同財団は監理団体として2015年度から2019年度まで総数325人(うち北海道304人)の実習生を受け入れています。同財団は採用とともにコロナによる渡航規制で出国を待っているベトナムの実習生を安心させようと受け入れ企業とリモートアクセスのオンライン面談も実施しました。ベトナム人実習生から“北海道のお母さん”と慕われる同財団理事の長澤薫さんは「当財団でも4月から出国を待っている実習生が数十名おります。コロナ禍での経済の悪化により、いつ日本にいけるか、受入れ企業から突然キャンセルされるのではないか、学生たちの不安が募っております。今回のリモートアクセス面談はオンラインではありますが、企業の皆様と学生たちとの数カ月ぶりの再会でした」と実習生の心情を察しながら話しました。

コロナ時代こそ<利他の言葉>

鶴雅グループに採用されたベトナム人実習生は来年4月に来日の予定です。コロナで国境の壁が高くなり、人の移動がしにくい状況が続いています。受け入れ側のホテル、支援する監理団体、そして出国を待つベトナムの実習生のせつない心情を思うと、Withコロナの時代だからこそ、「鶴雅社訓八条」の【鶴雅の利他】私達は、仲間に尽くし、お客様に尽くし、お取引先に尽くし、社会に尽くします――に掲げられた<利他の言葉>を諳(そら)んじたくなります。

この記事を書いた人

毎日新聞社で記者として水戸支局、社会部、政治部、ワシントン支局で勤務し、主に政治・外交などを取材。政治部副部長、さいたま支局長を経て、執行役員国際事業室長でアジアを中心に国際フォーラム開催やアジア進出企業などの支援事業を担当。その後、毎日アジアビジネス研究所長でアジア、東京、地方をネットワーク化し事業マッチングなどの調査・支援事業に携わり、2023年3月に毎日新聞社を退社。同4月に株式会社アジア未来総研を創業。

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